原告側弁護士は、「仏の元山」の異名を取る元山弁護士。気遣いと思いやりを忘れない法廷戦術は、常に攻め手を欠き詰めが甘く、ほとんど勝ったためしがない。対する、被告側弁護士は、日本三大弁護士事務所の一つ、青山田弁護士事務所の若手エース、林田であった。「インターネット技術を使用した特別設置分離法廷による民事裁判に関する法律(通称:特分裁判法)導入以前より俊英として名を馳せた彼は、特分裁判法導入後の「劇場型裁判」で一層頭角を現し、歌って踊れる名物弁護士として、CDを2枚出している程であった。「仏」対「腕利きでタレント」の戦い。やる前から結果は明らかに見えた。唯一、林田に隙があるとすれば、3人で担当するはずだったこの案件に、「一人で十分」と単身乗り込んできた「油断」だけであった・・。